小学3年生の「暗算やくふうでとく」

計算を工夫するよさを感じよう

第7章「暗算やくふうでとく」では、計算を工夫して答えを導き出す知識・技能を身につけることをねらいとしています。

特に算数に苦手意識がある場合、「計算の工夫」を考えることを面倒だと感じ、そのまま計算することを優先してしまう傾向があります。

そのため、まずは「暗算や計算を工夫するよさ」を実感させることが大切です。

例えば、計算を工夫したくなるように、ゲーム要素をプラスしてみましょう。

  • 「この計算式には簡単に計算できる秘密の方法が隠れているよ。探してみよう」
  • 「解く時間を2分短縮すると、ゲームできる時間を10分延長できるよ。挑戦してみない?」

このように、まず子どもが計算を工夫することへ必要性を感じられるようにサポートしてあげてください。

計算方法のレパートリーを増やそう

子どもは「暗算」と言われると、「頭の中で計算しないといけない」と考えることが多いです。

それも間違いではないのですが、大切なのは「少しでもラクに計算すること」です。

ラクに計算するためには、計算方法のレパートリーを増やしましょう。

・100や1000など、いくつかの数をまとめる方法

例えば「387+75+25 」の場合。

  • 「387+(75+25)」と書き換える
  • 100のまとまりをつくって計算する

・順序を変える方法

例えば「5+387+75 」の場合。

  • 「387 +75+5」と順番を変える
  • 「387 +80」となるため、計算しやすくする

・数を分ける方法

例えば「48+24」の場合。

  • 「48+20+4」と、24を20と4に分ける
  • 「68+4=72」と計算する

このように、計算方法のレパートリーを知っているかどうかが非常に重要です。

それぞれの方法に「まとまり作戦」「さくらんぼ計算」など自分でネーミングをつけると、より楽しく取り組めます。

さまざまな計算の工夫を練習することが、暗算力を高める近道です。

最初は正解できなくても、落ち込む必要はありません。

  • 「( )を使ったのはいい作戦だったね」
  • 「計算の順番を変えた方がいいとよく気づいたね」
  • 「『1000のまとまり』を考えられるようになったね」

など、計算の工夫を考えるプロセスを具体的にほめてあげましょう。

第7章「暗算やくふうでとく」

1年の締めくくり、新たな一年に楽しい習慣を