時計に触れて、少しずつ慣れましょう
8章「なんじ なんじはん」の時計を学ぶ章です。
保育所や幼稚園のうちに学習済みのお子さんもいらっしゃいますが、大人が子供に教える際に一番苦労する分野でもあります。
「何時」と「何時半」だけをこの単元で学びますが、細かい時計の仕組みを説明しても、1年生の子供たちは混乱してしまうものです。
そこでお勧めしたい学習方法は、時計の針が「何時」と「何時半」を指した時計をたくさん見せてあげて、それを絵として覚えていく方法です。
時計の時刻を絵のように認識し、慣れることが子供たちにとって一番早く覚えられる方法です。
覚えることを絞りましょう
「何時」と「何時半」が分かるようになっても、次の16章「なんじ なんぷん」の時刻が分かるまでには他にも色々と学ぶ必要があります。
ただ難しく考えず情報を絞って教えてあげれば、子供たちも時計を理解しやすくなるでしょう。
まずは、以下のように3つの基本を教えてあげてください。
①時計には短い針と長い針がある。
どんな時計でも2つの針が区別されているから、時刻を表すことができます。短い針と長い針、それを区別できるように色々な時計を見せて、慣れさせてあげましょう。
②1から12までの動かない数字がある。
時計には1から12までの数字が書かれていますが、まずはこの数字の位置が決まっていて、どの時計も全て共通であることを教えてあげてください。数字の位置を覚えたら、時計を見たときに感覚的に何時なのか理解しやすくなります。
③時計の針は時計回りにしか動かない。
7時半の長い針は、なぜ「6と7の間」ではなく「7と8の間」にあるのでしょうか。大人には当たり前でも、子供にはとても難しいことだったりします。
お子さんに日常的に時刻を確認させ、感覚的に覚えてもらうことが大事になります。
以上の3つの基本を理解し、覚えることができたら、次の16章「なんじ なんぷん」の学習はスムーズに進められるでしょう。
根気よく教えてあげてください。
時計の不思議を見付けさせましょう
お子さんに「時計の不思議を見付けてみよう!」と言えば、様々な不思議を見付けてくれるかもしれません。
「数字の周りに短い線がある!」、「長い針が6なら6分?」、「短い針のほうが何時なのはなぜ?」、「1時半の半って何?」などなど、子供たちが見付ける不思議に大人はきちんと答えられるでしょうか?
例えば、短い針が「時」を指し、長い針が「分」を指すのには理由があります。
数字より遠くにある目盛りを読むために長いのです。
その目盛に数字は書かれていませんが、それが「分」を示しています。
また、半の意味も12の半分だから6を指していると言っても、まだ1年生では理解できません。
視覚的に長い針が1周する12までの半分の位置に長い針が来ているから、半は「ちょうど半分の意味」と教えてあげてください。
子供たちが見付ける不思議は多種多様です。
その不思議から、子供たちがどのように時計を見ているのかが分かりますので、それをヒントに学習に役立ててあげましょう。