3年生

3年生はギャングエイジの時期

3年生は心理学では「ギャングエイジ」と呼ばれる時期に突入します。「ギャングエイジ」と聞くと、マイナスイメージが先行するかもしれませんが、直訳すると「仲間時代」という意味です。2年生で一気に広がりを見せた交友関係や学校生活への慣れを足掛かりに、仲間意識が急速に発達します。この頃から、大人に干渉されない自分達だけのグループを好み、その中で自我の抑制や友人との衝突を経て、社会的スキルを学んでいきます。

反抗的な言葉や、大人の言うことを聞かないなど、今までと違った言動に戸惑う保護者も多くなります。しかし、これは適切な発達段階を踏んでいるということでもあります。この時期がないと、コミュニケーション能力が低くなってしまうなど、不器用な大人になってしまいかねません。あまり抑圧せずに、子どもの発達を喜び、「こんなこと言えるようになったんだな。」というぐらいの気持ちで接してあげてください。

抽象的思考が中心になる、3年生の学習

学習面では、低学年で学んできた生活科が理科・社会となったり、音楽でリコーダーが導入されたりと大きな変化があります。学校での学習の際にも、グループワークが増え、グループ内での意見交換をするなど、学習スタイルにも変化が出てくるでしょう。

1・2年生では目で見たり耳で聞いたりして理解する具体的思考を中心に学習が進んできましたが、3年生では、言葉で理解する抽象的思考をふんだんに取り入れた学習が進んでいきます。この抽象的思考にうまく適応できるかどうかが、3年生以上の学習に大きく関わってきます。この抽象的思考力を鍛えるためには、すぐに答えを示すのではなく、少しのヒントの中から子どもが試行錯誤を繰り返して答えに到達する経験を積むことで、より発達するとも言われています。

3年生の算数学習

算数では、万から億までの大きい数、かけ算の筆算、わり算、分数、小数を主に学びます。3年生の子どもにはまだ馴染みの少ない学習内容も多く、意味が抽象的で関心意欲が湧きにくい子もいます。子どもが理解しやすいよう、ブロックやイラストなどの具体物も使いながら教えていくことが大切です。

かけ算の筆算

2年生で学んできた九九を活用し、かけ算の筆算の学習に入ります。子どもたちが今まで学習してきた、たし算の筆算、ひき算の筆算は、上下に計算するのみでしたが、かけ算の筆算になると、斜めにかける動作が入ってきます。また、位もより大きくなり1万を超える答えも出てきて、計算の途中で繰り上がりが必要な問題も多く出てきます。繰り上がりや九九でつまずいていた子は、ますますわからなくなってしまいますので、かけ算の筆算の学習に入る前に復習しておくことをおすすめします。

ふたば問題集でも、かけ算の筆算を習得できる章を多く用意しています。小学2年生の第10章「かけ算 その1」第11章「かけ算 その2」です。ぜひ、子ども達の学習にご活用ください。

大きな数の学習

2年生では、千から万までの大きな数を学習してきました。3年生では位が増え、万から億までの大きな数を学習します。百万や千万は言葉としては聞いたことのある子も多く、子ども達の会話の中でも出てくることもありますが、抽象的思考が必要になり、数の概念を広げる学習となりますので、苦手意識を持つ子も多いです。ここでつまずいた子は、4年生の億以上の大きな数の学習で必ずつまずきます。3年生の間に苦手意識を持たずにすむよう、学習を促してあげましょう。

大きな数を家庭で学習する際には、「位取り表」を用いて教えるのが一番です。ネット上にも無料で印刷できるものもあります。以前保護者から、「位取り表を使って教えてしまうと、それがないとできない子になりませんか。」と聞かれたことがありますが、そんなことはありません。繰り返し使用するうちに、子ども自身に大きな数の概念が定着すれば、位取り表からはスムーズに離れることができるようになります。逆に言えば、離れられない子はまだ定着が済んでいないということですから、同じような問題を何度も解いていく必要があります。

大きな数に少しでも関心を持ち、意欲が湧くよう、日常生活の中で大きな数に触れたニュースや記事を見て、家族の会話に取り入れるだけでも、子どもの意識には違いが生まれますので、取り入れてみてください。

万から億までの大きな数は、第7章「大きな数(10000より大きな数)」で学習することができます。

わり算

4年生でのわり算の学習にスムーズに移行するため、3年生のわり算も重要です。こちらはわり算の基本的な学習ですが、ここでわり算の意味の定着を図っておかないと、曖昧に理解しているだけでは4年生で苦労することになります。「同じ数ずつ分ける」ことの意味、「あまりとはどういうことなのか」「1/4ずつ分ける意味」というところに着目し、具体物(ブロックや絵を描くなど)を使って何度も一緒に分ける操作をし、理解を深めることをおすすめします。

わり算は、第3章「わり算(あまりなし)」第6章「わり算(あまりあり)」で学習することができます。

まとめ

抽象的思考が重要となる3年生ですが、柔軟に対応できるわけではありません。まだ思考力も幼く、言葉や計算では理解していても、概念として定着させるためには丁寧なフォローも必要で、つまずいているであろう時には分かりやすいよう絵で描いて示し、問題を解くヒントにすることも一案です。

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