5年生

最高学年を見据えた5年生

いよいよ本格的な高学年となった、5年生。最高学年として、学校を動かしていく6年生の補佐的な役割を担い、“来年は自分たちが最高学年”と見据えて動いていきます。学校の中では半分以上が自分達より小さく幼い子たちで、その中で行動していることもあってしっかりと、他者を思いやる言動をとることができてきます。

成長面としては思春期・反抗期に入っている子どもたちも多く、大人の言葉を素直に聞けなかったり、つい素っ気ない素振り、反抗的な言動も出てきたりすることでしょう。ですが、それらは順調に発達している証拠ですから、大人になるための大きな葛藤の中にいるのだと認めてあげ、時に見守ることも大切です。

5年生の学習

5年生では習う漢字の量も一気に増え、抽象的な意味の漢字、熟語が中心となります。今までは楽しんで学習するのみだった英語も教科となり、成績が付くように。理科も社会もより複雑で覚えることも増え、テストで良い点を取ろうと思っても簡単にはいかなくなってきます。

算数では、4年生までに習ってきた四則計算をフル活用して、学習を深めていきます。割合や単位量、小数の計算、分数の足し算・引き算、倍数と約数、文字を使った式などを学習します。6年生や数学でも重要になってくる、数学学習の基礎とも言えます。5年生になると算数に苦手意識を持つ子が格段に増えます。特に割合は抽象的な思考を必要とする学習である上に馴染みも薄く、なかなか意欲的に取り組みにくいところです。

苦手なこと、できないと思っていることばかりが続くと、「勉強=辛い」という負の体験を積み重ねることになってしまいます。大切なのは、「わかる」「できた」という達成感を学習の中に時々組み込むことです。そうすることで、子どものやる気も持続しますし、急に学習に意欲的になる子も出てきます。学年を下げて復習もし、復習の中で時間がかかっている所では考えるためのヒントを出していくと良いです。

どの教科の学習にも言えることですが、高学年になると考えたプロセスや理由を自分の意見で言える、答えることができることも重要になってきます。ニュースや身近な出来事などを題材に、子ども自身の考えを引き出し、意見交換することも学習に大切な能力を培うことにもなりますので、家庭でできる学習方法として取り入れてみてください。

割合

割合は抽象的な思考力を必要としますし、その他の学習に比べて、言語的な読解要素も必要とされますので、算数の中では考え方が独特です。しかし、大人の私たちの周りで考えてみてください。「スーパーでお肉が3割引」「野球の打率が〇割〇分〇厘」「消費税〇%」など、身近にはたくさんの割合があります。割合を理解できているとお金の計算や生活の中でお得なこともたくさんあります。そういう学習の楽しさやメリットにも気づき、割合の学習に入っていくと世界観が変わり、子どもも意欲的に学習できるようになります。

割合は言語的な読解要素も必要と前述しましたが、割合の問題はいくつかのパターン(「〇〇の割合(何割引き)」「混み具合」など)に分かれているので、どのパターンに当てはまるのかを読み取り、そのパターンに合った式を当てはめるように考えるのも1つの学習方法です。

文章の書き方も難しく、子どもには馴染みの薄い書き方をしているものも多々ありますので、そういうところで引っかかってしまう子も多くいるかと思います。パターン別に抜粋してやり込んでいく方法もお勧めです。

ふたば問題集でも、割合の学習を習得できる章を用意しています。第13章「割合」第14章「割合 帯グラフと円グラフ」です。ぜひ、子ども達の学習にご活用ください。

分数の足し算と引き算

分数については、2年生から段階的に学習してきました。4年生では同じ分母同士での足し算と引き算でしたが、5年生になると異分母の分数の足し算と引き算になります。「  +  」というような真分数の計算と、「  」というような帯分数の計算が混ざっています。いずれも通分、約分が必要になります。通分と約分をするためには公倍数、公約数の学習が必須となります。分数の計算の前に先に復習しておくこともお勧めです。

5年生になっても、物事の概念を理解するには言葉だけの理解では難しいものです。時には視覚で興味関心を引いたり、絵を描き分数の計算の意味を視覚的に理解したりすることも有効です。

分数の足し算と引き算は、第9章「分数のたし算とひき算」で学習することができます。

まとめ

5年生になってくると、算数も途端に難しいものとなりますが、その反面、算数の面白さに目覚めやすい時期でもあります。それには子どもの考える力も影響してきます。「なぜ」「どうやって」と根気強く考えようとする力と、自分なりに絵を描いたり何度も計算しなおしたりする力が必要になります。そのためには、周りの大人がすぐにやり方を教えてしまっては意味がありません。子どもは失敗を経験することと、自分で壁を乗り越えることで力を養います。歯がゆいようでも見守ることも時には大切です。そして、自力で乗り越えた時にはしっかりと褒めましょう。子どもの感じていた達成感が本物に変わる瞬間となるからです。

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